顔面神経麻痺
 
顔面神経麻痺を考える27
 鍼治療と顔面神経麻痺 2
      
 こんた治療院

はじめに

  鍼治療と顔面神経麻痺についての第2弾です。令和5年においても、この鍼治療は神経麻痺の回復に貢献して止む事はありません。コロナ禍にも麻痺の回復には待ったはありません。皆さんが鍼治療をしてみようと思うきっかけになればと思っています。
  こんた治療院 院長
鍼治療を、なぜ神経麻痺に使うのか
 鍼治療は、その治療の性質上、末梢神経の位置する部位に非常に安易にアプローチできるものであり、その効果においても目で見て確認できるものであり、その点においては一度目にしたものであれば神経疾患に関して限定しても優位性に適したものであることが言える治療です。

 しかしながら、損傷された神経においては、その程度によって当然の如く数回の治療では目に見えない事もあります。私はその目に見えないものを具体的に、コンテンツに書きながら皆さんと共に、この顔面神経麻痺について考えてきました。ただ漠然と、鍼治療は神経麻痺に効くという言葉を連呼しても、患者である皆さんや鍼治療を見た事も無い医療関係者の方に納得のゆくものにならないという事を充分に分っています。ならば、どうやってそれを皆さんに伝えてゆくのかを具体化したものが、私の作成した「顔面神経麻痺を考える」というコンテンツです。
 このコンテンツに関しては、実際に顔面神経麻痺になられた方ならば、良く理解できる様に作成しているのが大きなポイントです。私は専門学校の講師の経験も10年程ありますが、医学生や医療関係者向けの資料の作成の方が実に簡単に作成できると考えていて、むしろ患者さん向けのコンテンツには本当に苦労しました。しかし、その苦労したコンテンツの内容や単語を使って、皆さんの担当する先生に相談する事で、皆さんのお役に立てていると思えば嬉しい事限りないと思っています。

 鍼治療を、なぜ神経麻痺に使うのか?それは私も非常に効果があると認めて、皆さんに提供できる医療であると思っている先生の1人だからです。と、この一言が言いたい為にコンテンツをこれだけ書いてしまう私はどうなんでしょう?(笑)。皆さんで評価して下さいませ。

麻痺治療に始まり、麻痺治療に終わる事が私の治療家としての最終目標です。


 このコンテンツで、顔面神経麻痺に関する項目が27項目になりますが、他の神経麻痺に関する項目が7項目あります(令和5年4月現在)。なぜ、この様に神経麻痺の項目が多いのかと言えば、私の治療家としての経歴にあるといえます。私が麻痺という病気に出会ったのは、1989年中国北京にある北京中医学院(北京中薬大学)の進修科に在学していた時でした。鍼治療の臨床医療現場は、私の日本での東洋医学の知識を一瞬で踏みつぶされ、新たな中国医学の臨床と理論の応用を実践せよと私を奮い立たせる原動力になりました。もっと分り易く言えば、特に神経の麻痺に鍼治療がかなり有効であると自分の目で見て実感したという事です。

 私は北京での留学を終えると、日本の総合病院での就職がすぐに決まりました。といっても、当時の理事長、院長らによって私を日本の病院で受入れる体制を整えていただき大変感謝している事を今も尚忘れずにいる次第です。そして、このプロジェクトは当時、一大センセーショナルを起こしたプロジェクトでした。脳梗塞や脳出血の患者を集中治療室から鍼治療をして行くというもので、中枢神経麻痺の鍼治療の最先端を担っていました。テクニカル アドバイザーとして、中国天津中医学院第一附属病院(天津中薬大学附属病院)から医師が2名づつ交代で来日して勤務し、私たちスタッフの技術の向上にも怠りのない様になっていました。というのも、この治療法には特殊技術が必要であり、私は最終的に技術習得のために、天津に研修医として3ヶ月出向して勤務して完全なものとして習得してきました。お世話になった中国の先生方は、臨床現場でも医学論文でも老中医と呼ばれる名医の先生方です。今でも先生方の著書は大切に所有しています。やはり、鍼治療は高等な技術をもって臨床に望まなくては、その効果は至極一般的なものに留まってしまうのだという事を、数年かけて自分の目で見て体験して来たというお話です。

 総合病院での経験は、中枢性神経麻痺に留まらず、末梢性の麻痺にも当然携わる事も多くありました。顔面神経麻痺、橈骨神経麻痺などは日常に治療の取り扱いの対象です。また、各科オペレーション後の問題にも鍼治療が導入され、その効果を期待される部所でもありました。結果を残す事、これすなわち西洋の医師に医療である事を認めさせる事にもなるという事です。もちろん、その為には各種検査結果に基ずく改善の評価、他覚的評価をもって鍼治療の効果を医師と共に行ってゆく作業が必要です。そうした環境下で、スタッフ全員が着々と成果を上げてゆく事で院内の医師からは、鍼治療って効果があるんだという事を知ってもらう事が出来たと思っています。がしかし、その効果を見ようともしない医師からは無反応だった事もよく知っています。

 鍼治療は、神経麻痺の治療法として、とても重要な方法である事を私は知っています。それが言いたいだけの長文でしたが、みなさまの心へ届く様に願うばかりです。

平成の後期から令和の現在、医師は末梢性の顔面神経麻痺にマッサージを勧める様になった。

 近年、皆さんが担当医師から勧められる自分での治療法として、マッサージを勧める事が多くなりました。しかし皆さんは、とても疑問を感じる事が多いと私の診察の時に口を揃えて言っています。それは、マッサージの方法をテキストなどにして具体的にいただけないという事。マッサージの方法を実際に行ってもらえない事などが筆頭にあがってきます。
 それもそのはずです。「顔のマッサージ」なるものは、医師は患者に施した事は一度も無くその効果も評価していませんので、いわゆる口頭だけのアドバイスである事に皆さんが気がつくのです。そのマッサージの力加減もとても大切ですが、その点に関しては「決して強くやらない様に」というだけです。基準になる力加減も示さずに、はたして上手にできるのかという疑問です。

 この「顔のマッサージ」に関しては、学術的な根拠と成果をしっかりとまとめあげた上で、「末梢性顔面神経麻痺における顔面の筋群のマッサージ方法」として世に出ていないという事が露呈しているという事です。

 私は、顔のマッサージはあくまでもサポートという立場で皆さんに勧めています。主役になるのは、もちろん鍼治療です。しかしながら、顔面のマッサージの方法はずいぶん昔からコンテンツ上でアップ(顔面神経麻痺を考える2マッサージの方法)しており、その実績は数千人の人が実行したはずです。私自身も確実に一千人以上も顔のマッサージを行っているので、実績には問題はないと思っています。私は指圧や按摩法も使うマッサージ師でもあるので、顔面神経麻痺の治療として鍼とマッサージを使っていますから、自分で実践的かつ臨床的に立証されていると思うので皆さんに紹介していますが、医師には実績を持ち合せた資料が無いゆえに苦しい発言をしている事と思います。しかも、このマッサージは医療用のマッサージであり、その為の注意点における問題は、顔面神経麻痺の回復に影響を与える事があるとしたら、発言は慎重にならざるを得ないと考えます。

ようやく病院では、低周波治療を使わない様になった。

 昭和時代から平成の前半までは、どこの病院でも末梢性の顔面神経麻痺の治療として低周波を顔にあてていました。それは、もちろん神経の回復につながる治療だとして誰もが信じていたからでしょう。しかし私は、それが問題である事を自分のwebサイト上で論じ、顔面神経麻痺の後遺症である病的共同運動を強調する可能性が高いと指摘していました。この件に関しては、北海道大学の耳鼻科のwebサイトで逸早く公表しており、ついで何故そうなのかを解説してゆく形をとったのが私であったのです。それは、web上では当時は顔面神経麻痺と検索すると常に私の「顔面神経麻痺を考える」のコンテンツが上位にランクされており、非常に詳しく解説されたサイトであると指示されていたからです。それから数年後にようやく、webを見た患者サイドからの意見を医師達が受入れ始めて、北大がそう言っているのならばと低周波治療をやらなくなって来たのです。低周波を否定したと同時に顔のリハビリと称した運動や体操を否定して、その理論を解説してゆき令和時代の今日に至るのですが、私が神経麻痺の治療をするときに必ず患者さんに言う言葉があります。それは、この末梢性の神経麻痺治療における治療の核心を表した言葉です。

この病気は、
神経の麻痺であって、
筋肉の麻痺ではない!

 昭和時代から令和の現在までも、民間の間では麻痺の治療は、リハビリが必要と啓蒙されています。その概念を捨てる事が、この末梢性の顔面神経麻痺には必要なのだと、私は30年前から気づいていました。この章のコンテンツで書いてある通り、私は中枢性麻痺の専門家として病院に携わり、そのリハビリのノウハウを叩き込まれたゆえの結論です。傷ついた神経が動かす筋肉を、電気的に動かす事や随意的に動かすことで別の動きに転じる動作などは、神経の回復や伝達に異常を来す恐れがあると考えたゆえの皆に分り易い言葉です。この委細につきましては、コンテンツ「顔面神経麻痺を考える21随意運動と不随運動」に記載していますので、割愛させていただきますが、私の顔面神経麻痺治療における概念は全く変わっていません。
インターネットによる情報には商業目的が多すぎる。
 私がホームページを立ち上げた当時は、インターネット配信における情報は閲覧者の有益な情報を提供する事がマナーであったのですが、現在ではその内容の殆どが商業目的であり、いかにも効果があるという内容に重点が置かれ、閲覧者を混乱させる内容が実に多い事に残念にさせられます。私はホームページの立ち上げ当初から、こうした鍼治療は全国どこでも受けられますので、どうぞお近くの先生に相談してみて下さいと訴えています。その際には、私のコンテンツを参考に病気の事を担当の先生と話合ってみて下さいとしています。現在でもこの姿勢に変わりはありません。

 また、SNSなどで医療人でない方の書き込みやアドバイスは、様々な混乱を起こしている事を自覚する必要があります。その1例を紹介します。この方は末梢性の顔面神経麻痺において自身のSNSでカミングアウトしたところ、すぐに耳鼻科に行ってステロイドの点滴をしないと治らない、すぐに入院すべきだとネットのオーディエンスにアドバイスされたそうです。しかし自分の主治医の内科の先生は、糖尿病でインシュリンの投与もしているのでステロイドは投与できないと言われて、神経麻痺の回復は絶望的な気持ちになっていました。そんな時に、では鍼治療はどうかと検索されて、私のサイトに辿りつき来院されました。私の説明に深く納得し、それまで不安だった事が解消されて、内科の先生とも協力して病気の克服に向けて前進する事が出来ました。こうした事は令和の現在でも同じ事が起こっています。病気の問題は、しっかりした実際の診察の上で解決しなければ本当の不安を解消できないと断言しておきます。

新型コロナウィルス、そしてコロナ禍の現在
 世界中で感染拡大を続けるこの新型コロナウィルスは、2020年1月より感染開始し、パンデミックとして世界に広まり、その影響がもちろん日本にも襲いかかりました。このコンテンツを書いていた令和2年10月7日では世界の感染者数は、3589万7910人。死者数は105万1149人となっています。この数は日を追う事に増えています。そして、肝心のワクチンは日本ではまだ施行されておらず、国民の皆さんは予防に徹している状況が続いている状態です。
 そんなコロナ禍という状況の中、この顔面神経麻痺との戦いで苦戦している皆さんの声を多々耳にしています。病院へ行くのも怖いという方もいるという現状です。でも私は、皆さんを診察室で待っています。万全な体制で皆さんをお迎えして、この顔面神経麻痺を治療する事に専念する事は、私の仕事であると揺るぎない考えを持っています。それは、麻痺の回復に待ったは通用しないと誰よりも知っているからであり、そんな皆さんの不安を解消する仕事が私の使命だからです。私も皆さんと一緒に、顔面神経麻痺と戦う事に参加させていただきたいといつも願ってます。





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 顔面神経麻痺に関係する執筆内容のページです。是非読んでみて下さい。
 こんた治療院 <治療の窓>より抜粋しました。
 毎日、診察の合間にコツコツと執筆しながら早23年が経ちました。皆さんに1つでもお役にたてる事がありましたら、幸いと思いながら、今も尚治療の合間に書き続けている内容です。全国の方から色々な御質問などいただき、毎日心を込めて返信しています。そうしたみなさんの力で、今日まで一生懸命やっていて良かったと思うのは、インターネットのすばらしさの1つだと考えています。
 シリーズ
 顔面神経麻痺を考える

6.1 後遺症各論
<病的共同運動の強調>

7 小児の顔面神経麻痺
:ケア編

8 顔面体操と
顔面の運動は、
やってはいけない

10 顔の痛み 三叉神経痛

21 随意運動と不随意運動

23 やっつけに行く
今回は、
鬼軍曹の
独り言ですか?


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