坐骨神経痛2
 下肢の痺れと痛み こんた治療院
 

 今回のお話は坐骨神経痛についての第2弾です。メール相談などから数々のサポート事項の補足を考察し、さらに坐骨神経痛を考えてゆきます。
 
 これが神経痛の痛みなのですか?
 

 意外と知られていないのがこの神経痛の痛みです。もちろんそれもそのはずで、打撲したり、キズの痛みなどとは違った痛みなのですから無理もありません。その為に初めて症状が出た人は、変な筋肉痛?とはじめは考えてしまいます。特にお尻あたりが、座ると思い痛みがある場合は、初めは筋肉痛と勘違いし易いものですが、痛みも2日、3日目と軽くならない場合には、何かがおかしいと気がつくでしょう。

 
 神経痛の痛みは出現する場所と原因によってその痛みの表現は異なってきます。
 

痛む場所

  この坐骨神経痛は、お尻の凹んだところに痛みが著明に出ます。その後に下肢の方へと放散する痛みが出てきます。神経の走行にそって痛みが出ますので、その確認は自分でも容易に出来ます。坐骨神経痛を考えるを参照して下さい。また大腿の前面や大腿の内側の痛みを訴える人もいますが、これは大腿神経や閉鎖神経に出てきている神経痛です。坐骨神経は膝の裏から少しお尻の方へ上がったところで、2つに別れて一方はふくらはぎを下行して足の裏へ行きます。そしてもう一方は膝の前下方から脛骨に沿って足背へ痛みが出現します。

ポイントを絞る

 お尻のくぼみ

 一番気になるのがこのお尻の痛みです。椅子に座るとちょうど当たるのがこの坐骨と呼ばれる部位で、腰椎から出た神経が下肢へ向かう為の出口に当たる部分です。坐骨神経痛の初期症状はこのあたりの痛みから出現します。座ると「ズーンとした重い痛み」がお尻に感じます。思わずトントン叩いてしまう様な硬さもお尻の筋肉に感じます。
 お尻の周り

 お尻の周囲が痛いという人の中で、くぼみ以外の場所では仙骨付近の痛みと、身体を横向きにしてお尻の一番高い部分(大腿骨骨頭=大転子)の痛みがあります。
 仙骨付近の痛み:仙骨(尾てい骨)は腸骨(骨盤を形成する骨)と仙腸関節というジョイントを持っています。この関節(ジョイント)は一般的には女性では出産時に可動するもので、日常生活ではまず、固定的で容易く動く関節ではないとされています。特に男性ではその可動率は非常に低いものと考えています。しかし、関節を構成している以上は、出産時に限らず、外的な力が加わったりするとトラブルも抱える事はあるようです。そしてここでの仙骨付近の痛みというのは仙骨の穴(仙骨孔)から出ている、仙骨神経および馬尾神経の痛みです。

 膝の裏

 膝の裏の痛みも代表的です。この痛みもなんとも堪え難い痛みです。指で圧すると痛みが増強します。膝の痛みが出て来ますと膝を伸ばす事が痛いために膝を曲げて歩きたくなります。軽いお尻の痛みでも、疼痛性跛行(はこう)の初期症状が出て来ますが、膝の痛みも加わると完全に疼痛性跛行をていしてきます。

 足の裏と足背

 足の裏へ放散する痛みは、坐骨神経痛の中でも重症です。また膝の前下方から脛骨に沿って、足首から足背へと放散する痛みも同様です。この状況ですと下肢の冷えがかなり強くなり、じっとしていると足を摩りたくなるほど冷たくなります。とりもなおさず、血行の悪さを示しています。


 
 メールでの質問からも考えてみましょう
 
質問1
 坐骨神経痛と診断されて1年が経ちます。痛む側のお尻が小さくなったように感じます。どうしたら良いでしょうか?痛みがありますが、鍼の効果もあまりないようで2ヵ月でやめてしまいました。

解 答

 痛みの持続の問題は、坐骨神経痛の原因によります。その原因によっては回復まで時間を要する事があります。しかし、時間を要するということは痛みの為の各部への影響、つまり合併症をいかに抑える事ができるかを考えなければなりません。 お尋ねの、お尻が小さくなったというのも、長期に痛みが持続する坐骨神経痛の合併症ともとれる発言です。医師の指導の下に、治療計画(鍼治療再開など)を見直す事が大切だと思います。さらに脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアの有無も再診によって調べる必要もあります。

質問2
 神経痛にはお風呂がいいと言われて入っていますが、かえってだるい感じがしてよくありません、先生のお話を参考にして短時間の入浴に切り替えると、調子が良くなりました。なぜ?この様な違いがあるのですか。

解 答

 恐らく腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛と医師に診断されていると思います。椎間板ヘルニアは圧迫と炎症が問題になります。圧迫とは神経を圧迫する事、炎症とは患部の炎症です。この様な状況の下では、炎症の度合いによってかえって長時間の入浴が回復の妨げになる事があります。また、圧迫された神経支配の筋肉も、長時間の入浴で過度の温熱刺激による疲労を起こし易い状態になっています。下肢が冷えてしまうので、温めたいと思い、ついつい長時間の入浴になってしまいますが、必要以上の時間を超えてくると温熱刺激の影響がマイナスに働くのは、もちろん健康な人でも同じです。その結果、お風呂からあがると下肢がだるくなってかえって疲れを訴えます。腰椎に圧迫と炎症所見があり、未だ解決できていないその影響ですので、落着くまで時間が必要です。

質問3
 時々坐骨神経痛が出て来ます。完全に根治はしないのでしょうか?
  確か先生も時々出ると書いてありましたが。

解 答

 私も時々出ます。そんな時は自分で鍼治療をしますが長い付き合いです。しかし治療すると痛みは消失いたします。季節の変わりめ、天候の変化が私の場合は深く関わっている様です。
 というわけで、私は完全に治るのか?といわれると、例えばくり返し風邪にかかる様に、私は自分の神経痛を同じ様に考えています。ただ今、自らを研究して30年目に突入しています。痛みがあると思い出しますが、全く無症状だと忘れています。いわゆる持病になってますが、痛みの度に自分でお尻に鍼を打ってます。御陰でどうしたら痛みがとれるか痛いほど?わかります。
 


 
 痛みの除去に鍼治療は有効です
 

 現在は、ペインクリニックなどでこの様な痛みの除去を行っています。私たちの鍼治療は、この分野でも使用される事があります。それは、お薬に対しての問題がある場合は、最終手段として私たちの鍼治療が用いられています。
 神経痛は勿論、最近の病気ではありません。太古の昔から人々が悩んで来た問題です。その神経痛に対しての治療法は逸早く中国医学の鍼治療がその効果を世界に広めたものと、私は考えています。なぜ?主役的な治療法に日本ではならないのか?かつては主役となっていたはずなのに、いえもちろん今でも主役です。私は今後、肋間神経痛について執筆を準備していますが、もちろん主役級の扱いで書かせていただきます。
 痛みの除去は、私たちの治療が主役であると宣言しておきましょう。
 

 
 坐骨神経痛を考える2 まとめ
 

 今こうして執筆している時にでも、相談メールが届き皆様に感謝している次第です。私のお話に耳をかたむけて下さる方がいらっしゃることが、私の今後の執筆にどれだけ勇気をいただける事かと思うと、尚いっそうの努力を治療の窓に注ぎたいと思います。しかし、百聞は一見にしかず、ネットで見ているだけでは痛みは取れないのも事実です。みなさんの苦痛の除去のお手伝いが、ほんの少しでもできたらいいなと考えています。

 

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