三叉神経痛
 三叉神経痛を考える  こんた治療院

 

 この三叉神経痛に関しては非常に痛みとの闘いをみなさんが日頃からくり返していると聞き、私のお話が少しでも参考になればと思い執筆しています。こんた治療院のコンテンツで顔面神経麻痺のお話を書いておりますが、その筋(すじ)をたどって三叉神経痛の患者さんが年間を通じても多くなりました。
 今回はその三叉神経痛についてお話を書きたいと思います。
 

  三叉神経とはどんな神経なのでしょうか?

 三叉神経とは主には顔面部の知覚を司る知覚神経、そして眼球の知覚も司ります。運動神経としては、顎関節を動かします。顔面部の感覚はこの三叉神経によって刺激をひろいます。
 この三叉神経の走行は、顔面神経と走行はよく似ており、支配領域もほぼ同じく1つの本管から3つの枝になって末梢である顔面部位に配属されます。顔面部では末梢血管が密集しており血行性に優れている部位に定着しています。
 三叉神経の3つの枝の第一枝(眼神経)は目尻から昇り、そして頭頂部までを担当しています。うわまぶた(上眼瞼)から額と頭頂部前部と鼻すじと呼ばれる部位が三叉神経第一枝の支配する領域です。第二枝(上顎神経)はその下まぶた(下眼瞼)より口角を支配し、頬と上唇を主に支配しています。第三枝(下顎神経)は耳の前から頬の横(下顎)を沿って下唇までを担当します。
 三叉神経は左右で一対ありますので、右の頬の感覚は右の三叉神経が担当し、中央で分離され、左は左の三叉神経が担当します。そして三叉神経は脳神経(12対あります)に属し、脳神経の中でも末梢に出る最大の神経です。

 
  三叉神経痛について

 三叉神経痛は3大神経痛と呼ばれるうちの1つで、中国の古書には三叉神経痛と同じ表現のものがすでに記載されています。しかしながら当時は今の神経の概念が薄く、その表現方法は顔面部の皮膚の痛みと考えて、経絡(けいらく)を上手に使ってこの三叉神経痛を治療していた様です。現代の中国ではもっと医学的に三叉神経痛を分析し、より効果の高い治療方法を提供できるようになりました。
 三叉神経痛はその原因は現代になっていくつかの問題が判明してまいりました。今まで原因不明の三叉神経痛を『突発性三叉神経痛』と呼んでいましたが、その中のいくつかの原因が解ってきたという事です。
  その1つは血管の圧迫による問題で、三叉神経の脳から出た部位で血管の圧迫によって神経痛が起こるとされるものです。外科的に手術によって痛みをとる『微小血管減圧術』という方法が積極的に施されている様です。もう1つは良性の脳腫瘍でも起こるという事だそうです。こうした書き方をすると、読んだ人は私のケースはどうなのか?と心配になりますが、総てのケースにあてはまる訳ではなく、あくまでも原因不明の一部分であると考えて下さい。
 その他に、こんた治療院が得意としている神経麻痺治療において、顔面神経麻痺の発病とともに合併として三叉神経痛をともなうケースがありますが、突発性との区別をしています。ここでは突発性の三叉神経痛について取り上げます。

 
  一般的な三叉神経痛の原因 (こんた治療院考察)
 

原       因

診         断

コメント

原因不明

突発性三叉神経痛

 下記以外の三叉神経痛。単ニューロパチーとして扱いを受けるものと考える。他に随伴して起こる症状がない事を確認し、突発性と考える。

神経圧迫性

血管圧迫性の三叉神経痛
腫瘍性の三叉神経痛

 専門医により現在解ってきた三叉神経痛の原因の一部。MRIなどの画像診断により近年外科的療法が行われるようになった。こうしたケースは鍼治療は適さないと当然考える。

ウィルス性

ヘルペスウィルスによる三叉神経痛

 水痘ウィルスが原因で三叉神経に表れ、帯状疱疹が顔に出現する。急性期には抗ウィルス薬を投与、慢性期の痛みには鍼治療が有効と考える。

神経麻痺性

顔面神経麻痺の合併症として
起こる三叉神経痛

 末梢性顔面神経麻痺に多く見られ、麻痺とともに顔面部の痛みを主張するが、見のがされやすく痛みの除去が後手に回るケースが多い。これには麻痺の治療同様に鍼治療が有効であると考える。<顔面神経麻痺を考える10三叉神経痛>に詳しく解説しています。

 
 
※この一般的な三叉神経痛の原因については、こんた治療院が独自にまとめたものです。
 

  突発性三叉神経痛の症状
 

 突発性の三叉神経痛の痛みは上記した部位、特に第二枝と第三枝に好発して痛みが出やすく、刺痛(刺すような痛み)が特徴的である。特定のポイントを持ち、圧したり温かいものに痛刺激として反応する。
 このために、食事をする事、歯を磨く事、顔を洗う事、髪をとかす事、お化粧をする事などが苦痛になり精神的にも鬱(うつ)を生じ、心療内科と併用するケースもあり、三叉神経痛を機転として不定愁訴を訴える人も慢性に移行するタイプは多いです。

 
  三叉神経痛の鍼治療法
 

 私はこの三叉神経痛の治療は鍼治療が非常に有効であると考えています。腫瘍を伴う問題やMRI所見により血管の神経圧迫が顕著な場合にはYESとは言えませんが、その他の問題(帯状疱疹など)に関しては鍼がもっとも得意としていると考えます。
  こんた治療院へは大概は難治性の三叉神経痛の人が、全国から来院します。インターネットにて来院する方のほとんどが、病院にて難治性を診断された人ばかりです。こうした事実はまだ鍼の実績が日本ではあまりないんだとがっかりしていますが、中国ではこうした三叉神経痛は鍼治療にみなさん来ています。
 日本の来院した人の状況は、カルバマゼピン(テグレトール)などのお薬が効かなくなった人たちが多いです。このお薬は長期間の服用で薬効がなくなってくる事も事実です。そうした人たちが多数来院しています。

 

  突発性三叉神経痛のその他の治療法

 
薬物療法
カルバマゼピン(テグレトール)が代表的。
外科療法
微小血管減圧術
 
 

 その他の治療としては、すでにみなさんが御承知のとうり、突発性の三叉神経痛に関して神経内科や外科にて行う代表的なものをあげました。
 また、顔面神経麻痺に伴う三叉神経痛に関しては耳鼻科や神経内科にて治療がほどこされます。水痘ウィルスによる帯状疱疹ができる三叉神経痛に関しては状況により抗ウィルス薬が初期に投与されています。こうした状況においても鍼治療が痛みを止める事に貢献できると考えています。

 
  三叉神経痛をもっと考える
 

 この三叉神経痛に関していえば、顔に痛みを与えるもっとも辛い神経痛と理解しています。特に女性の人ならばこの辛さは、心身分野に直結してくることが多いのも事実です。私たち治療にたずさわる者もそうしたみなさんの苦痛を理解し対応してゆく事が大切と考えております。つらい時には身体を休めてあげることが痛みの緩和になります。ストレスをためる事がメンタル的にも三叉神経の痛みを倍増させます。こうした事はすでに来院したみなさんの共通意見を参考にしています。本当に辛かったんだなと思います。
 この三叉神経痛の痛みは、 けっこうな割合で発病初期は歯が痛いと思って、歯科に受診し歯の治療を受けて痛みが取れずに痛みは『気のせいだ』と言われた人もいます。歯の神経を取ったり、歯を抜いたりして散々歯をいじっておいて、歯の問題じゃないと言われ心療内科に受診しそこで、三叉神経痛だからあなたは神経内科に行きなさいといわれたという人もいます。本来、歯医者は口腔外科領域なのだからこうした三叉神経痛も視野に入れて考えたらすぐに解るものを…。という訳で三叉神経痛を診断されるまでに時間のかかるケースも多数あります。
  こうした確定診断に長引く事やエピソードが、三叉神経痛になられたみなさんを精神的に苦しめる経緯である事も、私達治療家も理解して対応にあたるべきだと私はは考えています。
 確かにこうした三叉神経痛に私達の治療が役に立つと書いておりますが、本当に難しい(外科的)ケースもあると理解しております。三叉神経痛は一筋縄では行かない事は、私達も日頃の臨床ケースから安易には考えておりません。みなさん同じ三叉神経痛という診断をされていますが 、ひとり一人を痛みの解放とメンタル面でのケアで一日も早い回復をさせてゆきたいと思っています。
 こんた治療院の技術が、ひとりでも多くの人の三叉神経痛の痛みを止める事に役立つ事を願って、日々技術の向上と心のケアができるより良い環境をつくってゆきたいと思います。

 
いろいろな事、こんた治療院に御相談下さい
 
 こんた治療院は、指圧マッサージ鍼治療で改善してゆく治療院です。しかしながら、インターネットを通じで皆様の相談や悩みごとを幅広く受け入れております。こうした姿勢は、こんた治療院のインターネット配信は、治療院に訪れてた人だけでなく全国の人とこんた治療院を結ぶ掛け橋を作るための大きな試みであり、それもこんた治療院の一つの仕事と考えております。
 この様な治療院ですが、御相談やご質問がございましたら掲示板やメールにてお気軽に御相談下さいませ。
 
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