病後の回復を考える   こんた治療院

 

 今回のお話は<病後の回復を考える>です。この話を書こうと思ったのは、以外とこのような事を漠然としかあつかっていないのではないかと思ったからです。なぜ?病後の回復に良いのかを明記しなければ、治療効果もただ良いだけでは、医療としては???です。それでは、私の考える病後の回復の為のフォローアップとはどんなものか、興味のある方は読んでみて下さいませ。

  1)感冒などの風邪症状

 

 日常生活において、まずは風邪(かぜ)とよばれる感冒のあとの、私たちの身体の変化はどうなっているかを具体的に書いてみたいと思います。

 

 
発熱による影響

 発熱をする事により、筋肉やリンパに負担が発生します。解熱してもその後の筋肉は正常な弾力を取り戻すのに時間がかかる事があります。またリンパ線も同様に、風邪症状の鎮圧の為にすぐには流れが回復しない事があります。そのために病後の疲労感として自分で体感してきます。肩こりとしても感じます。

せき

 気管支も負担が生じ、背中や肋間についている呼吸筋にも緊張が生じてだらだらと長引きます。

喉の痛み

アデノイドウィルスなどにより扁桃腺が腫れ上がったりすると、食事も大変になります。

下痢と便秘

 ウィルスによって荒らされた胃腸。もともと基本的に胃腸の弱い人は回復に時間がかかります。

何度も風邪をひく

 年に何度も風邪をひくという人、この頃やけに風邪をひくという人はストレスなどの原因で免疫細胞の現象がみられる。

頭痛

 風邪症状が治まっても、頭痛として残る。普段から頭痛持ちの人

その他

 風邪にかかると普段から自分のウィークポイントが強調されてしまう人。気管支炎や喘息への移行など。

 
 

 この様に風邪(かぜ)1つをとっても、万病の本(もと)といわれるくらいに、まだまだ個人的症状をあげるときりがありません。ここに紹介したものは極一部です。しかし、この様な事を未然に防ぐのも、予防医学に優れた私たちの医学です。病後で苦しんだ人にはもちろん、予防を考えて少しでも前向きに健康を考える事は必要最低限のものと言えそうです。風邪にかからない身体に調えておくという事です。
 先日、友人が、医療保険料の高い国は病気になっても安心と言う考え方より、病気になったら大変という考え方があり、健康管理は私たちの様な東洋医学的な考えに基づいて、アフターファイブ(退社後)や休日はスポーツジムや治療院へ行って身体の調整をしていると話していました。つまり治療院へは、病気になる前に行くところだそうです。
 そして、 病気が恐いという認識を良い意味でどの様に自分を管理してゆくか、これだけ恵まれた日本にいながら東洋の医療が発達している土地にいながら、まだまだお年寄りの行く場所としか認識されていないのは非常に残念だというニュアンスの会話をしていました。
 私は、本来の日本もそうだったのにと思いました。ならば、私もホームページでその事を強調しようと考えました。未病を防ぎ、病気の回復を担う場所が私たちの仕事場であると再認識しました。

 

 2)入院をしていたり、慢性病をわずらっている

 

 入院を必要とする疾病を患ったり、慢性病で通院している人などは体力低下があると言われますが、具体的にどのような問題があるのでしょうか?

 
 

入院もしくは長期療養

心肺機能低下

寝たきりでいると一番始めに機能低下を起こすのがこの心肺機能です。健康人でもベットに寝たきりでいると、その機能をたちまち必要最小限に絞ってきます。その為に合併的に起こる機能低下としても、機能縮小として起こる機能減少状態もある意味同じように心肺機能低下が認められます。

筋力低下

これも心肺機能についで急激に低下してきます。骨折などでギプスを捲いた患部は筋萎縮が起こり、はっきりと筋力が低下した事が認められますが、それ以外でも身体全体の筋力は時間と供に衰えて来ます。

関節への影響

ベットサイドの生活では、歩行が出来なくとも上体を座らせた状態ができれば関節への負荷が得る事が出来て、身体を支える支持能力の低下が防げます。関節は負荷がかかる事で、その関節支持能力を保ちます。しかし、この様な状態から歩行を開始してもなかなかすぐには歩けません。

歩行への影響

歩行は単に筋運動だけではできません、関節の支持や体幹のバランス、平衡感覚をつかさどる機関の問題などその他の要素を兼ね備えて歩行が出来ます。歩く事がこんなに難しいものか?と実感します。

外科手術

現在の外科手術も、その内容によって感染症の心配がなく、早ければ2日目から歩行ができると判断したものならば患者さんをできるだけ動かします。胃腸関係ですと、イレウス(腸閉塞)などの合併を防ぐ為には歩く事で、腸腰筋が動き腸への運動を促します。

 上記にあげた事以外でもまだまだたくさんの合併症やケア項目があります。この事については、病院サイドでの献身的サポートがなされて今日の患者ケアを充分なものにしてゆく努力をされているものと存じます。
  しかし、施設によっては理学療法士の不在や、看護助手の不足によりまだまだ手の届かないケースもある様です。ならば、退院後の療養期間中は末端で私たちがサポートする為に、この様なケースも認識しながら対応に当たる事が必要であると思います。

在宅療養 久しい病 後遺症
脳血管障害後遺症

片麻痺を主とした身体を、日常生活動作を向上させる為に動かす事は、健常者の数倍の労作量が必要になります。日々の疲労を抱えると、リハビリのステージUPにもブレーキがかかることもあります。

膠原病

リュウマチの語源は「リュウマトイド」という言葉から来ていて、流れが悪いという意味です。リュウマチに代表される膠原病は、筋炎や全身性エリテマトーデスというものも含まれます。私たちのサポートが随所で生活の助けになります。

各種神経麻痺

早期の治療で後遺症を最小限にくい止めます。現在は顔面神経麻痺や橈骨神経麻痺などをHP<治療の窓>で紹介していますが、各種神経麻痺の治療を担当します。

交通事故

ムチウチの治療からシーネの長期使用による合併を防ぎ、スムーズに社会復帰ができるようにします。後遺症が心配な問題です。

臓器疾患

代謝性の糖尿病から、人工透析、肝臓病など身体の循環器に関する問題は、非常に身体が疲れやすいものです。疲労を減らす為にはとても役にたちます。


 

 3)社会復帰の疲労 <病後すぐの労働>

 

 私も直接耳にする事が多いのですが、疾病を克服して社会復帰を果たすとしばらくは緊張して仕事をする人が大多数だそうで、その時はあまり感じませんが、休日を迎えると疲れがどっと出るとおっしゃいます。本当にお疲れ様です。ちょっと会社を休んでいると仕事のペースに慣れるまでにはしばらくは様々な事がある様です。勿論これまでにあげた疾患によるもの、合併によるものもありますがフィジカル(肉体)的な問題とメンタル的な問題を、社会に適応させるには想像を越えた努力と疲労があります。これはやはりしばらくの間は、特に自己管理をしないと無理が生じてきます。私たちのサポートを合わせる事で、その様な社会復帰の疲労を解消しながら、本来の自分のペースにもどす事も1つの方法です。

 
病後の回復のフォローアップ
 

 一般生活における風邪(かぜ)や入院を必要とした疾病、そして在宅療養をしながら慢性疾患と向き合っている人たちに目的を持って私たちの治療が受けやすいようにと考えて執筆しました。特に合併(がっぺい)症として起こるものは、以外とそのフォローアップが行き届いていないケースもあります。是非とも目的をはっきりさせて治療家も対応してゆかないといけません。単に疲労回復に良いという言葉は、疾患を背景にした場合は非常にあいまいになってしまいます。私もこの点を反省すると共に、尚いっそうのよい病後の回復のフォローアップに努めたいと存じます。
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