傷ついた神経を修復する事を医学的には神経再生といいます。末梢神経は神経の再生という修復能力があります。中枢神経の場合はこの能力は無いとされており、ゆえに神経再生という言葉は、末梢神経の損傷を修復するという時に使われます。ここからのお話の内容は、顔面神経麻痺を考える19神経回復の条件と内容が重なります。
この神経再生には、いくつかのアイテムと環境整備が必要であると私は考えています。それを説明する為に、器質的改善と生理的改善という2つの言葉を用意したいと思います。
神経再生に必要な、器質的改善の為のアイテムの1つは、皆さんがよく知っているビタミンB12です。このビタミンB12によって組織の修復には欠かせないものです。
2つめは、赤血球です。赤血球は酸欠状態になっている神経に酸素を運ぶ働きがあり、自分の身体の半分しかない狭い場所には変形しながら前へ進んで行きます。これを赤血球変形能といいます。
3つめは、この赤血球の変形能を助けるアデノシン三燐酸の存在です。
神経再生に必要な、環境整備とは何か。
1つは血液循環の改善です。これは2つの見方がありますが、顔面神経麻痺が起こっていると内部では、顔面神経管という組織がつぶれた状態になっているという学術的見解があります。この顔面神経管を広げるという作業が必要になるという事です。この作業には赤血球の変形能により、酸素などを供給する役割を担っています。もう1つの見方は、炎症によって起こったリンパ液の排除を速やかに行う事は、神経の再生においては必要であり。神経に取りついている血管網の速やかな運動がこうした物質を末端に届けるには重要なのです。これを生理的改善と考えます。
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